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加納祥子という女


 人は人を求める。心が心を求めるんだ。友人や仲間、恋人・・・。すべて心のつながりだ。

 女は男を求める。男の心を欲し求める。
 それは強く逞しい健全な精神であり、自分よりも高い人格であり、そして、ペニスの力強い勃起だ。

 男は女を求める。それは清潔感であり、清潔な心だ。そして男は、その女の情欲を求める。
 女性と違うのは求め方だ。男は女の身も心も奪う。求めるというよりは、奪うのだ。

 だが、いい女はそう簡単に堕ちない。奪うことができない。
 プライド高く、高貴なるMasohist。それが淑女だ。
 淑女とは貞淑という意味ではない。
 人生の酸いも甘いもよく知り、本当の官能を経験している。そして自分の中の女(Masohism)を深く自覚している。
 そんな女だ・・・。

 



 男たちの自由に嬲られ、いたぶられ、犯される。
 その屈辱は意に反して快感となり、やがて官能を身に覚え、女は普段決して見せることのない自分の中の女に酔う。
 たとえその相手が主ならずとも、めくるめく官能感に昇りつめ、女はさらに女になっていく・・・。

 恐らく、祥子さんの小説は、ご自身の経験をベースに虚構化し書かれている。
 しかし、虚構とは言え、私が祥子さんの小説を読んでまず感じたのは、そこに確かに女がいた。
 官能に翻弄される女心があった。

 一つ一つの作品をここで言及するつもりはないが、すべての作品に通じ、そこに女心がある。女心に満ちている。

 


 

 祥子さんを取り巻く男たち。
 彼らは彼女の内なるM性を刺激し引き出し翻弄し、苦しめる。
 しかし彼らは同時に、祥子さんを尊敬している。
 ただの美人ではない。男の本能を引き付けてやまない女の魅力を感じ、また、人として一目置いている。
 淑女に対して失礼のないよう接している。

 



 そう。男たちは気高く美しい女の前で、紳士として振る舞う。
 だが、いつの間にか理性を失い、いつしかケモノとなっていく・・・。
 女の匂いだ。
 彼女の女の匂いが男性本能を痛く刺激し、ペニスがどうしようもなく屹立する。
 男の右脳が欲望に支配され、女の醸し出すフェロモンに抗えない。頭の中は既に祥子一色だ。

 



 ここに告白しよう。

 私が最も嫉妬を感じる女。

 それが祥子さんだ。

 





 

 淑やかな彩・・・。
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