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体験談『奈々子と肥後ずいき』


Shyrock作


 皆さんは「肥後ずいき」と言うものをご存知でしょうか?
 熊本の特産物で、細川藩が徳川将軍家への献上品に定め、参勤交代のお土産として持参したと文献に残っています。
 これはお湯、又は水に浸すと柔らかくなり、大人のための手工芸品(おもちゃ)として大変重宝がられたと聴きます。
 数年前、当時の彼女奈々子(24歳)と阿蘇山に遊びに行った時のこと。
 阿蘇山を散策してホテルに戻ろうとした帰り、途中ぶらりと土産物屋を覗いてみることにしました。
 店頭には、チーズケーキ、牛乳ケーキ、ふんわりブッセ、ハニーミルク等が並んでいました。
 その時でした。
 棚に何かエッチぽい感じのするパッケージと見慣れないモノを見つけました。
 それは直径3センチぐらいだったでしょうか。
 リング状の縄のようなものでできている小さなものが陳列されていました。
 商品から漂う独特の雰囲気で、直感的に「ははん、大人のオモチャだな?」と察しはつきましたが、使用方法は全く見当がつきません。
 いささか照れ臭くはありましたが、店のおばさんに単刀直入に聞いてみました。
 おばさんは僕よりもいっしょにいた奈々子の方をニヤニヤと見回しながら、ちゃんとと答えてくれました。
 勃起した状態の肉棒に嵌めて挿入すると、女性は恐ろしいほどによがり狂うというのです。
 はっきりとそういった訳ではありませんでしたが、遠回しにそんな意味のことを説明してくれました。
 でも僕は興味はありましたが、買おうとまでは思いませんでした。
 道具を一切使わないで女性をイかせたい……という男のプライドのようなものがあったため、バイブやローターですら彼女からの希望が無い限り一切使用することはありませんでした。
 ところが意外にも僕よりも奈々子の方が反応して「これ面白そう~!」などと興味を示しました。
 その一言で買うことが即決しました。
 結局その一品を購入してその日の宿へと向かいました。

 その夜、男女それぞれの大浴場から部屋に戻ったふたりは、窓際の籐の椅子にもたれて寛いでいました。
 奈々子はスキンケアに余念がありません。
 僕は冷蔵庫からビールを出して喉を潤しています。
 部屋の中央には入浴中に仲居が来たようで布団が二枚並べて敷かれています。
 そんな光景から淫靡な雰囲気が漂ってきます……
 官能の芳香がムンムンと香ってきます……
 浴衣の紐を解く愉しみは洋服を脱がすのとは一味違います……
 僕は奈々子を眺めながら、その後のエロチックなプログレスを脳裏に描いていました。

 奈々子の肌の手入れが終わった後、当然のようにふたりは布団の中でもつれ合いました。
 執拗に愛撫を繰返すうち、いつしか浴衣がはだけてしまった奈々子。
 白いショーツが眩しく僕の眼に飛び込んできました。
 クロッチの上から、擦る、窪ませる、撫でる、舐める……奈々子が濡れるまで多くの時間を必要としませんでした。
 ショーツを脱がせた後も、さらにしつこく愛撫を繰返しました。
 奈々子の方から「早く入れて……」と言う一言が漏れるまで、じっくりと焦らすことにしました。

 まもなくひとつになる時間がやって来ました。
 初めて使う『肥後ずいき』……僕は心がときめきました。
 奈々子も期待に目を輝かせています。
 エッチを始めてから中断して説明書を読むのも間が悪いと思ったので、使用方法は予めよく読んでおきました。
 箱から『肥後ずいき』を取り出し、いきり立ったイチブツに嵌めてみました。

(こんな物で本当に女性が泣き出すほどよがらせることができるのだろうか……)

 正直そのときはまだ半信半疑でした。
 そして奈々子の濡れた花芯深くに肉棒を挿し込みピストンを繰り返しました。
 最初はいつもの奈々子とそれほど変わりませんでした。
 ところが1分ほどピストンを繰返した頃だったでしょうか、次第に変化が現われてきました。
 奈々子の悶え方がいつもとそれと全く違うのです。
 いつもセックスの序章では蚊の鳴くような喘ぎ声の彼女が、初めから声を荒げ激しく悶え始めたではありませんか。

「あっ、あっ、あっ、あああ~っ!効くぅ~!これ効くよ~!もう、たまらない!あああんっ!!」

 見る見るうちに顔を紅潮させ、ついにはシーツを掻きむしり出したのです。
 正常位から座位に移行し下から突き上げたとき、奈々子は感極まったのか僕の背中に爪を立てました。
 それには僕もたまらず「いてっ!」と叫んでしまいました。
 序盤からこんなによがり狂う奈々子はとても珍しかったのです。
 『肥後ずいき』ってそんなに効くものなのか?そんなに良いのか?
 男の僕には口惜しいけど全く分かりません。
 このときは何故か女である奈々子のことを羨ましくさえ思いました。
 大事なところに山芋を塗られて泣き叫ぶ女性のようにむず痒い感じなのでしょうか。
 その辺のことを奈々子にしっかりと聞いておいたら良かったのですが、すでに別れてしまった今それも叶いません。
 ただ「身体全体が燃えるようにほてり、あそこがジュワ~と熱くなってきた」と言っていたのを記憶しています。

 翌日ふたりは昨日のみやげ物屋でもう1箱買い足したことは、書かなくてもきっと察しがつくことでしょう。
 もし読者の皆様で、使用された経験がおありの女性の方がいらっしゃったら、ぜひとも私Shy宛て感想をお寄せくださいね。


<追記>

 肥後ずいき……
 実はもうひとつ効能があります。
 理由は知りませんが、男性に持続力を与えらしいのです。
 これも当時を思い起こせば、当たっているように思います。なかなか萎えなかったから……
 一種のバイアグラ的効果があるのでしょうか?
 また、男根に填めるリング状のずいき以外に、女性専用の男根型のずいきもあるようです。
 画像が無くお見せできないのは残念ですが、熊本の阿蘇山に行かれる機会がもしあれば、一度覗いてみてください。


 終


2013/06/12推敲

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エッセイ「女性誌特集『気持ちいいSEX』から」


Shyrock作


 近年、女性誌に「SEX特集」が掲載されることが多くなった。

 以前、某雑誌記者と話す機会があったが、それらの特集を組むと確実に売上げが伸びると語っていた。
「SEX特集」を行なうと部数が伸びるというのは、女性誌に限ったことではなく男性誌も同じような傾向を辿るようだ。
 だが、ライターとは些かいい加減なところもあり、適当な言葉を並べ紙面を埋めることもあるようだ。
 とりわけ、実際に取材は行なわれるわけだが、必ずしも大多数の回答が掲載されるとは限らないようだ。
 1,000人から聴いてたった1人の回答であっても、その内容が面白ければ掲載すると言う。
 例えば、「男の本音のSEX」という項目があって、「舐めて欲しいのはペニスよりアナル」と堂々と見出しに書くというのだ。
 お尻の穴を舐められて気持ちよくなる男が沢山いるはずがない。
 僕はくすぐったくてベッドから逃げ出すだろう。
 乳首を舐められると、もしかしたら誤って女の子を蹴るかも知れない。(爆)

 まあ、それはそれとして、こういう雑誌に書いてある男の子はなかなか情けない場合が多い。
 というよりも、女性への奉仕精神というものが足りないように思われる。
「フェラチオはして欲しいが、さっさと入れたい」という男に至っては最悪である。
 オーラルセックスを賛美するわけではないのだが、自分が十分に前戯をされているにもかかわらず、相手に十分してあげないと言うのは余りにも男性上位な態度だし、手前勝手ではないだろうか。
 そのくせに(男性側の)「理想の挿入時間は13分」等とのたまう。
 これでは女の子があまりにも可哀想だ。
 膣快感というのはクリトリスなどで得られる絶頂よりも確実に大きなものなのである。

 膣には快感を得られる神経というものがどうも少ないらしい。 それで得る絶頂なのだから、その大きさは某雑誌曰く「全身に稲妻が走る感じ」というのもうなずける。
 本当はクリトリスの神経でも十分に感じられるのだけれども、前戯をそこまで続ける男がおそらく少ないのだろう。
(手前味噌な話で申し訳ないが、僕の場合、前戯だけで女性をイカせることは朝飯前である)
 やはり前戯は女の子の「理想時間」30分程度は必要なのではないだろうか。
 前戯に没頭しているうちに途中で萎えてしまう、ということもあり得るが、その時は女の子に立たせて貰えばいいわけであり、前戯で快感を得ればそれだけ挿入した時、女の子は気持ちが良いわけだから利害は一致するだろう。

 また、女の子で演技をしたことがある、というものが全体の73%(某雑誌調べ)いるようだが、演技をするのならばこういう風にしてくれ、と要求を出してくれた方が良いのではないか。

「SEXフレンドが最高」という記事も疑問だ。
「恋人に話せないことも話せる」や、「何でもチャレンジできる」と書いてあるが、それならば恋人の意味がないだろう。その人にとって恋人って一体何なんだろう?
 何でも話せない恋人と、今後どれだけ解り合えると言うのだろうか?
 不満をぶつけ合えるくらいの関係を持てなくては友人と同じではないか。
 支配欲や独占欲、優越感だけで成り立つ関係など無意味だ。 それは単に一時の相互利益のため、共に過ごすだけの言わば「砂山のような関係」ではないだろうか。

(余談)
 女性誌で「SEX特集」を行なうと売上げが伸びる、と前述したが、では「そんなに売れるなら頻繁に(あるいは毎月)特集すればいいじゃないか?」と考える人もいるだろう。
 ところが毎月そのような特集を組み始めると、かえって売れなくなるという。
 理由は、毎月同特集を組んだ場合、「あの雑誌はエッチ専門雑誌」という読者の意識が芽生え、女性のプライドを考慮した場合、むしろマイナスになると言う。
 だからたまに同特集を組むのがベストだと、エリア情報誌「○○ウォー○ー」の某記者から聞いたことがある。



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六本木で出会ったすごい女




 ヤマちゃん(27才)からの相談話に乗るために居酒屋で酒を酌み交わした。
 それでも話が終らなかったため、六本木のとあるBARへ行くことになった。

 時間がすでに午後9時を回っていたのでそれなりの賑わいを見せていた。
 僕達はカウンターに腰を掛けていたが、背後の四人掛け席に二人連れの女性がいた。
 一人は黒髪ロングでもう一人はショートボブだ。
 タバコを燻らせて気だるそうな感じで話し込んでいる。
 かなり派出目ではあるが外面は結構いい線いってる。
 それを名うてのプレイボーイのヤマちゃんが見逃すはずがない。

「ねえ、Shyさん、結構イケてますね。誘ってみますか」

 僕は笑って首を縦に振った。
 強引な男だ。やめろと言ってもたぶん聞かないだろう。
 あ、でも、ヤマちゃんは確か彼女との結婚の相談じゃなかったのか?
 と思ったその頃、すでに二人の女性に声をかけていた。

「もしよかったらそちらの席に行ってもいいかな?僕達も二人なんだけど」

 彼女たちに驚いた様子はなく、快く肯いてくれた。
 僕たちは四人掛けの席に移動した。
 酒がかなり進み、話題はやっぱり恋の話で盛り上がった。
 人生初デートの話から、ちょっぴり憧れている禁断の恋の話まで。

 さらに進んで恋人へのプレゼントの話題になったとき、ロングの子が興味ある話を始めた。

「私は彼以外に4人ボーイフレンドがいるの。ちょうど1ヵ月前誕生日だったんだけど彼らは私にプレゼントをくれたの。プレゼントはルイ〇ィトンのバッグが欲しいってそれぞれにおねだりをしてたの。で、結局4人に同じものを買ってもらったの。つまりバッグが5つあったの。そのうち4つは質屋さんに持って行ったの。高く買ってくれたよ。1つだけは使って彼らとデートするときに『バッグありがとう!』って見せるの。すると皆、満足そうな顔をしてた。私って利口でしょう?」

 と、ここまで話が進んだときに、ヤマちゃんの表情がみるみるうちに変わった。

「Shyさん。もう帰りましょう。こんな女の子たちと飲んでても楽しくないですよ」

 とプンプン。
 もう1人のショートボブの子が代わりに詫びたが、それでもヤマちゃんの怒りは収まらない。
 僕も事態収拾に努めたが、場の空気を回復することができず、やむを得ずレジーへと向かった。
 ようやくロングの子も酒が廻っていたとは言え、自分が何を言ったのか理解したようで謝り始めた。
 だけど時は遅かった。
 酒は気分で飲むもの。
 気分の悪い酒は飲んでも美味しくない。
 レジーで支払いを済ませた僕たちは、女性たちに振り返りもしないで店を後にした。
 初夏とは言っても夜が更けるとまだまだ肌寒い。
 風も冷たく感じる。

「Shyさん、飲み直しましょうか?」
「そうしよう。口直ししたい気分だ」

 夜風を背にして男2人が夜更けの街に消えて行った。


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女の子のHトークを盗み聞き


Shyrpck作



 表参道のカフェで奈々子と待合わせをしていた時のこと。
 約束の5分前、奈々子はまだ来ない。

 僕はコーヒーを飲みながら2本目のタバコを燻らしていた。(当時は吸っていた)
 隣には20代前半と思われる女の子が二人、声は抑えてはいるものの何やら熱く語り合っている。
 聴くつもりは無かったが、気になってつい聞き耳を立ててしまった。
 壁際の女性が語り役で、通路側の女性が聞き役のようだ。
 話によるとどうも彼との昨夜のホテルでの出来事のようである。
 こんな時は人一倍耳のよい僕は得をした気分だ。
 盗み聞きするのはよくないとは思ったが、勝手に耳に飛び込んで来るので仕方がない。

 はっきり聞こえた部分だけを再現すると……

「彼がさあ、ビデオ見ながらそのとおりにやってみようって言ったのよ」
「ふんふん、それで?」
「面白いじゃ~ん、ってことになって~結局ビデオどおりやり始めたのよ。最初はさあ、うまく行ってたのよ。ところがさ、そのビデオってちゃんとストーリーのあるやつだったの。でさあ、途中で会話がたくさん入ってたのよ。しかもなんか別れ話でもつれるような暗~いやつ。お陰で彼は萎えちゃって。その後、全然役立たずでえ……。全くひどい話だよねえ」
「プブッ~!バッカじゃない~。ワハハハハハハハ~!」
「もう~笑わないでよ~。マジでぶち切れたんだからさあ。いいところまで行ってできないなんて、まるでヘビの……え~となんだっけ……?」
「生殺し」
「そうそうそれ、ヘビの生殺しみたいじゃ~ん、全く……」

 僕はこれを聞いて思わず吹き出しそうになったが、必死で笑いを堪えた。
 人の話を盗み聞きして、笑う訳にはいかない。
 笑いを堪えるのがとても辛かった。

 実はその時に奈々子が現われていたのだが、僕の意識は隣の女の子の方へ向いていたため、奈々子が来たことに全く気がつかなかった。
 当然、奈々子はご機嫌ななめ。

「Shy~。私が来ているのに知らん振りするの?それとも他の女の子にご執心なのかな~?」

 わざと隣の女の子に聞こえよがしに言っている。
 目はまるでキツネのように吊り上がっている。

「わっ!ごめんごめん!いやあ、あのね~、あははは~、あまりにも静かに入ってきたので気がつかなかったよ」

 まさか隣の話を盗み聞きしていたなんて言えるはずもなく、もうシドロモドロ。

 意外なことで奈々子を不機嫌にさせてしまったデートのスタートだったが、神宮前に向かう途中、カフェでの経緯を説明して一応納得してくれた。
 いや、奈々子の機嫌が治ったというよりも、むしろ奈々子のテンションを上げる起爆剤となってしまった。

「面白そうじゃん!それじゃ食事の後、ビデオ見ながらやっちゃう?でもビデオつけたらSMものとかレイプものとかだったら最悪ねえ。笑えないし~」
「まあ、それも面白いかも知れないけどどうなんだろう。AVって男のオナ用に作られたものだから真似をするのはどうかと思うね。だってさ、顔射とか精液を飲ませるなんて男中心のプレイじゃない?AVには女の子が喜ぶプレイって少ないと思うよ」
「うん、そうかも知れないけど、女の子もねえ、たまにはスリリングなエッチもしたいものなのよん」
「奈々子も好きだな~」
「あ~ら、Shyは嫌いなの~?へえ~。あはははははは~~~」

 それからふたりはゆるやかな表参道の坂を上り、奈々子の好きなパスタの店へと向かった。

 あれから幾度秋が巡ったことか。
 いつかは遠い昔の語り草になってしまうのだろう。


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体験談『ベートベンと黒い下着の女』


Shyrock作


 僕は週末の午後を街角のある喫茶店で過ごしていた。
 酸味の強いストレートコーヒーと店内に流れるピアノの響きが気に入っていたから。
 今日流れている曲はベートーベンのピアノソナタ30番。
 冬の寂しさとベートーベン後期のピアノの孤高の響きがよく似合う。
 1楽章の主旋律の柔らかで速い動きが耳に心地よい。
 僕はコーヒーを啜りながらふと窓際に目をやった。
 古い欧風の窓からは、温かな春を思わせる陽射しが店の奧まで深く入り込んでいた。

 窓際では女が1人で本を読んでいた。
 黒いセーター、黒い長めのスカート。髪の長い女だ。
 表情が軟らかく、耳たぶのダイヤのピアスのワンポイントがいい。
 真剣な目が活字を追っていたが、ときおり顔を上げた。
 白っぽい顔に濃いめの口紅が、女の表情を引き締める。
 黒は女を美しく見せるが、この女は実際に清楚で美しかった。
 僕は本を読む女の姿をもう一度じっと見た。
 黒い丸首のセーターから伸びる白い首筋は細い。


 ふっくらと膨らむ胸の辺りのコントラストが女の胸の形をなぞっていた。
 ウエストは適度に細く、腰はよく分からない。
 机の下で組む黒っぽいスカートと黒っぽい靴の間もやはり黒っぽいストッキングが出ている。
 女は黒で決めている。
 顔と手の先だけがなまめかしい白い肌の色を見せていた。

 僕はもう一度頭の先から足の先までを見直した。
 そして目を瞑った。
 目を瞑ると女の身体の形状が目の前に浮かぶ。
 下着はきっと黒。
 色だけは確信が持てる。
 ほとんどの女性が、アウターとインナーは同系色にするのが習性だから。
 漆黒の黒いレースが女には似合いそうだと思った。
 黒い膝丈のスリップの下に、黒いレースのブラジャーとフレアーのパンティーを穿いているような気がした。
 種類まで当たっているかは自信がない。
 脱げば、顔と同じように透き通るような白い肌で、胸は大きくもなく人並みで、ヘアも薄いタイプのような気がした。

 僕は再びちらっと女の姿に目をやった。


 そしてコーヒーを再び啜った。
 自分の行動の選択をじっと考えた。
 声を掛け、想像が正しいかを確かめる術はあった。
 僕は過去を思い返した。
 情熱的に行動にたびたび出たことも前はあった。
 ほとんどの女は僕の申し出を拒絶しなかった。
 本能的に、落とせる女と無理な女は大体分かる。
 あの黒い服の女はきっと落とせるだろう。

 女と言うものは、時には内心で男との新しい出会い・逢瀬を期待しているものだ。
 特にすました女ほどその傾向は強いもの。
 冷たい感じでプライドの高そうな女ほど実は可能性は高い。
 誰もが敬遠しそうな女こそ狙い目なのだ。
 砕くのが大変だが砕け始めると実に脆いもの。

 しかし……と僕は声を掛けなかった。

 大抵の女は着飾っている時がもっとも美しく、もっともエロチックである。
 話をすると、その美しさの半分が失われることも多い。


 全てを脱ぎ去ったときには、象牙色の肌にはエロスのかけらも残っていなかった。
 どこで失われたのか、美しくもなかった。
 女としての機能は果たしても、僕の期待した心にしみ通るような何かは得られない。
 ほとんどが……。
 ただ虚しいだけだった。
 これは僕が過去の経験で得た真理である。

 結局、今日は真実を確認する替わりに、静かにコーヒーの最後の少しを飲み干した。
 ベートーベンのピアノは30番の3楽章の終わりの方に入っていた。



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エッセイ『仮想人体美術館』

Shyrock作


 ここはX市にある人体美術館。
 人間のパーツの大きさや重さを手で確かめてもらおうと展示を行っている。
 ただし本物じゃなくて、本物そっくりの特殊ゴムで出来ているけど、感触や重さは本物そっくり。
 えっ、キモイって? 
 そう思うあなたは、良識人の大人の感覚。
 子供達はヘビでもカエルでも平気で触るのが本来の姿。
 ブヨブヨした内臓モデルの心臓・小腸など各パーツを恐る恐る触りながらも結構楽しそう。
 そのうち、キャ~キャ~言いながら押さえてみたりして実感を味わう。
 未来の外科医がここから登場しそうな予感。
 3体あるので独占してもしばらくは大丈夫。
 人間の神秘をじっくり味わってください。

 内臓の展示をいつまでたっても遠巻きに見ているのは大人ばかり。
 でも、大人の男性達・女性達に好評は別のところにある。
 若い奥様が男性モデルのペニスの重さを手で測定。
 ご主人に目で何か合図。
 旦那様も手にとるとニヤニヤ。
 どこの夫婦も耳元で何か2人だけの秘密の会話。

 2つのブヨブヨの感触が特にリアル。
 人目を気にしながら女子高生が感触をお楽しみ。

「男って普段は柔らかいって分かりました?」
(元気なモデルは当局の指導でお蔵入り)

 これも3体あるので、若い女性の方はごゆっくりお楽しみくださいね。

 男性の一番人気は、女性の下半身のモデル。
 触って良いと言われていても、人前では触りにくいのが本音?
 誰もが澄ました顔で近づいては上目遣いでしっかり覗き込む。
 すっと手を伸ばす。
 下腹部の柔らかさと溝を手で確かめる。
 思わず鼻血を出すは男子中学生。
 机上のティッシュをお使いくださいとのこと。
 高校生の男女もみんなで覗き込んで触っては内輪でお話し。
 あるいはなぜか沈黙。
 大陰唇・小陰唇・膣ともにしっかり実現。
 指だけ童貞を捨てるにはもってこい。
 彼女と一線を越える前にここで一緒にお勉強が正しい手順という説も……

 仲秋のひととき視覚・触覚をフルに利用して人体をお勉強ください。


『仮想人体美術館館長 シャイロック』


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